304FARO 中目黒
物件概要
- 用途
- 事務所
- 構造
- S造
- 場所
- 目黒区
- 規模
- 地下1階・地上3階
物件概要
居心地の良いオフィス空間となるよう、自身の経験ももとに、利用者の目線 で細部までこだわった。
まず思い浮かんだのが、パーテーションがなく、閉塞感を感じさせない暖か な空気。まるでホテルのラウンジにいるかのような感覚を味わえるよう、メ インスペースには吹き抜けの空間と、緑が見えるラウンジを設けた。前面に 大きな開口と、トップライトがあることで、自然と柔らかな光が差し込む。 また、ファサードに小分割したルーバーを角度を付けて設置することで、室 内側はそれらが目隠しとなり、プライバシーが確保されるうえ、夜景時には 室内の灯りが温かく漏れる。植栽の美しさと緑の癒しが内外双方から眺めら れる点も良いところだ。
利用者の用途に合わせ、プライベートデスクや大会議室など6 種類のワーク 空間を展開しているが、それぞれの家具には温かみを感じられるようオーク 材を採用。プライベートデスクに使用している間仕切のガラスには5 ミリ厚 の「モールガラス」を採用し、小さな部屋なだけに、植栽の緑や、閉塞感が 生まれない様、何度も検証を重ねたこだわりの空間である。
建物各所には、様々な現代アート作品を展示。オフィスでありながら、アー トに触れ、空間自体も固くならないように意識。また、らせん状の共用階段 の壁面には、世界で活躍するアーティストに作品を製作してもらい、トップ ライトからの光が差し込むことで、まるで美術館にいるのではないかと錯覚 させるほどの美しさを感じられるだろう。
「FARO」シリーズは3 棟目になるが、今回の計画で「良い施 工会社さんと仕事をすること」が重要であると痛感した。図面 だけではいかない現場での最終調整や納め方など、経験値とス キルをもとに、現場の方々のアドバイス・知識を駆使して共に 創り上げていく。自分の想いを人に伝え、それを具現化できた のは、辰さんのおかげであると心の底から思う。 こだわり建築を建て続ける辰さんと共に創り上げた「FARO 中 目黒」は、これからのシェアオフィスのモデルケースとして、 長く愛され続けてもらいたい。
(株式会社スモールトーキョー/堀遵氏 談)