株式会社辰

301THE CITY 表参道 LOHAS STREET

物件概要

用途
店舗
設計・監理
09.design/奥村政樹
構造
RC造
場所
渋谷区
規模
地下1階・地上2階
SHIN CLUB掲載あり

物件概要

表参道駅から歩いて2分の「ロハス通り」に面した商業施設。 テナントは2階と1階・地下1階部分にそれぞれ1店舗ずつ入 る計画だが、建物全体で1つの店舗としても使用できるように、可 変性のある空間構成とした。建物の1階は奥まで開放されてお り、ガラスで仕切られた上下階へと向かう階段を通して、訪れた 人々を店舗へと誘う。


原宿エリア、青山エリアの双方へと行き交う人々で賑わう場所のた め、自然と建物内部へと興味がひかれるよう、ガラスファサードと した。通りからは店舗の様子が、建物内部からは道行く人たちの雰 囲気が相互に感じられる空間となるよう設計した。


建物が位置する「ロハス通り」は、道幅の割に交通量が多く、配置 計画においては通行する人々に圧迫感を与えない配慮が求められ た。通りに面して建つ周囲の建物よりも、幾分セットバックさせる ことで、ポケットパークのような余白を生み出し、人の流れを引き 込むことを意図している。さらにゲート状に軒を伸ばした「引 きの空間」は、より懐の深いものとなり、訪れた人々を包み込む ように迎え入れるだろう。


建物はスケルトンの状態での引き渡しとなる。内装はあくまでも テナント側の工事で行うことになるが、素材の質感やサッシの納ま りには細部までこだわり、スケルトンの状態で使用しても映える ような空間に仕上げた。


照明計画では、建物正面の縁に沿ってライン照明を設置し、 ファサード上部に浮かび上がる「THE CITY OMOTE-SANDO LOHAS STREET」のロゴとともに通行人のアイキャッチとなるように デザイン。


ファサードのアルミパネルは周囲となじみ過ぎず、かつ、ロハス通 りのなかで特徴的な部分も出せる光沢感のあるパネルを採用し た。日中はそれほど反射がなく、鈍く淡く光る質感が得られるよ う、複数のサンプルを作成しながら検討を重ねた。夜になると周囲 の照明とともに存在感を増していき、昼間とは別の表情を見せる。 これは建物全体にも共通するデザインのコンセプトであり、大通り に展開する商業施設のきらびやかさとはまた違った、落ち着きの ある洗練された雰囲気に仕上げることができた。



(株式会社09.design | オクデザイン/奥村政樹氏 談)