298萩原ビル
物件概要
- 用途
- 店舗・事務所
- 設計・監理
- のみぞ計画室/野溝茂
- 構造
- S造
- 場所
- 渋谷区
- 規模
- 地上10階
SHIN CLUB掲載あり
物件概要
「萩原ビル」は、間口が狭いが奥行が長いのが特徴だ。そのなかで最も苦労した点は、階段室やエレベーターの場所を決めること。階段室やエレベーターはどうしても一定の面積が必要なため、配置によっては不揃いな間取りとなり、使い勝手に影響が出てしまう。そこで、社内でさまざまな検討を重ね、部屋はなるべく四角く使いやすい形状となるように努めた。部屋の形は建て主様からもご要望をいただいていたため、スタッフと協力しながら最適な配置を目指して設計していった。
こだわったポイントは、窓につけたルーバーだ。見栄えを良くする意図もあるが、オフィス内に直射日光が入らないようにする目的もある。また、萩原ビルの向かい側にもオフィスビルがあるため、窓越しに室内が見えないよう配慮した。窓からの視界を完全に遮るのではなく、ルーバーに角度をつけることで、道玄坂の北部が見渡せるように工夫。オフィスで過ごす人の快適さと、外から見たときの建物の「顔」をルーバーによって意識した。
夜になると、3階のルーバーにつけたライトが温かくビルを照らす。ちょうど街を歩いている人の視界に入るくらいの高さだ。ルーバーは、避難用のバルコニーを目立たなくさせる効果もある。そのため、正面から見た際に、8割くらいの面積をルーバーが占めるように設計した。
間口の狭さや近隣の状況などを踏まえつつ、見栄えの良さと快適な室内を実現できたと考えている。
(のみぞ計画室/野溝茂氏 談)