株式会社辰

289バイロン神宮前

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物件概要

用途
店舗
設計・監理
上田智晴アーキテクツ/上田智晴
構造
RC造
場所
渋谷区区
規模
地下1階・地上3階
SHIN CLUB掲載あり

物件概要

設計の段階ではテナントが決まっていなかったため、どのようなショップが入ってもいいように、自由度の高さを意識した。「バイロン神宮前」は、あくまで舞台のような存在だ。舞台に立つ主役はテナントで、それぞれの店舗が独自の主張をして、原宿という土地で目立てるようになることが理想だった。そのようななかで唯一の主張ともいえるのが、左右に配置したLEDライト。色を変更できるため、夏は青、秋はオレンジなど、季節に応じて楽しむことが可能だ。また、ショップのコンセプトに合わせたカラーにするのもいいだろう。やがて、夜の原宿を彩るネオンサインの一部になるかもしれない。


間取りで1番こだわったのは、階段だ。縦門汚の中央に配置した階段室からは、店舗が良く見えるようになっている。さらにその奥に目を移すと、竹下通りを眺められる。このように内側から見ると、表へ向かってレイヤーをオーダーしていくようなプランニングをした。また、広い面積のバルコニーにも注目して欲しい。内装とは違い、木目を採用した素材を使用し、あたたかい雰囲気を演出している。バルコニーを作るにあたっては、事前に外の世界との中間領域と定めた。「バイロン神宮前」で働く人々は、コンクリートに囲まれた店舗内では表の顔をするが、自然を感じるバルコニーでは裏の顔になれる。このような「2つの顔」を意識して、バルコニーを設置。また、屋上からは都心の真ん中にあるビルの敷地内でありながら、神社の境内から緑が見えるため、ここを訪れた方にとって癒しのスペースとなることを願っている。


「バイロン神宮前」に、設計者個人の視点はない。あくまでも、テナントやお客様など、「利用する方々から、どのように見えるか」という視点を大事にした。そして、最終的には皆さんに喜んで頂く事が重要だ。そのような意味では、今回の仕事において、自分の役目は設計者ではなく、形のないサービスの提供者だと考えている。



(上田智晴氏 談)