270-1江原町3丁目計画
物件概要
- 用途
- オフィス
- 設計
- タカギプランニングオフィス/野口信彦
- 竣工年月
- 2022年7月
- 構造
- RC造
- 場所
- 中野区
- 規模
- 地上3階
物件概要
新しいオフィスの基本づくり
将来的なオフィスのカタチをイメージし「シェアオフィス」のような空間を造るにあたり、どのような環境ならば仕事がし易いか、実際にその環境で仕事をしてみたらどのように感じるのか、いわば「練習」として、自社オフィスビルで体現してみようと思い、今回の計画をスタートさせた。 在宅ワークが増えてきている昨今のワークスタイルを配慮すると、「インターネットが完備され、静かで机と椅子がある空間であり、自宅から近くで通える場所」であれば、環境としては成り立つが、それだけだと殺風景で面白みがない。ならば、そこにプラスアルファし、ワークパフォーマンスが向上する工夫を施すことで、殺風景のなかにも、心地よく仕事が出来る新しいオフィススタイルができるのではと考えた。
打放しコンクリートの無機質な素材感にグリーンを合わせ、殺風景ななかにも温かみを持たせた。またそこに大型の藤の樹を設置し、空間の広さとその変化を付けることで、オフィス環境として心地のいい空間となるよう工夫した。各フロアには吹抜けがあり、建物内の一体感と開放感を演出。上階の渡り廊下や下階にいても、従業員とのコミュニケーションがとれ、仕事の効率も向上する。
また、来客時の動線を意識し、玄関から会議室までの魅せ方にこだわった。 玄関から1階までは、無機質な打放しコンクリートとシャープな階段が続くが、階段室から2階を見上げたとき、輝く水槽に目線がいくよう、その角度に合わせて水槽を設置。そのまま上部の藤の樹に目線がいくことで空間の広さと奥行を感じられる。会議室に入ると吹抜けのバルコニーに設置しているグリーンが目に入り、より開放感を実感できるだろう。
1階には、業務用のシミュレーションゴルフを設置し、来客へのおもてなしや、ゆくゆくはレンタルスペースとして貸出を検討している。
当初の計画では、もっとグリーンを配置する予定でいたが、打放しコンクリートが予想以上の綺麗さだったため、プランを変更し、コンクリートの美しさを際立たせるグリーンの配置をおこなった。
これからの時代に合わせた新しいオフィススタイルの基本を、まずは自分が体感し、これからの事業計画に活かしていきたい。
(株式会社中野商店/中野隆行氏 談)