268-2A邸
物件概要
- 用途
- 住宅・事務所
- 設計
- YOSHIHARAGUMI INC.
- プロデュース
- ㈱GREFICA
- 庭
- ㈱桝井淳介デザインスタジオ
- 竣工年月
- 2022年4月
- 構造
- RC造
- 場所
- 渋谷区
- 規模
- 地下1階・地上3階
SHIN CLUB掲載あり
物件概要
海外のクライアントにとって「日本庭園を中心」に客人をもてなすことと、自らも日本で家族とともに安らぐことのできる最高の場所をどう創るかが、私たちに課せられた課題であった。 クライアントから提示された土地は間口3.5mの旗竿の土地。庭園を眺めながら過ごしたいという要望を計画の核とし、外構にふんだんの緑と石組。RC 躯体をベースに屋上日本庭園とそれを望むゆとりのある応接間を配した。
建築条件にはさまざまな制約があったが、アプローチからエントランスホールまでの動線は非日常へ誘う役割を持たせた。玄関は「風格」と「格式」を意識したなかで壁は小松産の観音下石( かながそいし) を選んだ。黄味がかった凝灰岩はライティングとの馴染みが良く、空間に柔らかさをプラスしてくれる。 石壁をベースに床板は幅広のチェリー、飾りカウンターにはブビンガ、天井はチークの竿縁と裏打ちした布を差し目地で構成した。石/ 木/ 布と異種の素材を使うことによって非日常なエントランス空間に仕上がった。
今回クライアントは一定の条件のなかで生活スタイルやデザインを一任してくださった。ただ私たちの役割は、自分たちのデザインを押し通すことだけではなく、職人や素材、現場の方々とともにお題に対し皆で考え、設計者としてそれを美しく調律することが建物のクオリティやクライアントの喜びにつながると考えている。また建築の価値というのは“今が一番” ではなく経年でより良くなることが何よりのクオリティ。 末長くお住まいいただき、ますます磨かれていく庭と建築を楽しんでいただけたらと思う。
(吉原組/吉原雅人氏 談)