257-2長者丸VIEW TERRACE
物件概要
- 用途
- 共同住宅
- 意匠設計
- 遠藤克彦/遠藤克彦建築研究所,八尾廣/東京工芸大学工学部建築学科 八尾廣研究室
- 設備設計
- 山下直久/Comodo設備計画,タクトコンフォート
- 構造設計
- 佐藤淳/佐藤淳構造設計事務所
- 監理
- 小林佐絵子/アトリエコ
- カーテン
- 山本 紀代彦/ファブリックスケープ
- 竣工年月
- 2017年10月
- 構造
- RC造
- 場所
- 品川区
- 規模
- 地上4階
物件概要
東京都心部の閑静な住宅地に計画された集合住宅である。ドライエリアを備えた1階に2住戸、駐車スペースにより半階ずれた形で2階に2住戸、最上部の3、4階に、下階の半階ずれた構成を利用しスキップフロア構成の1住戸の合計5住戸を計画した。 敷地条件上、前面道路から奥側の2住戸を、大きなドライエリアを設けながら地盤面より1.4m下げることにより、敷地に対する最大の住戸面積を確保している。周辺の環境は良好で、周囲に対しての距離も取れる敷地であったことから、自由な間取りで周囲に対して開く住戸構成が導かれた。共用部分の階段とEVを擁するコアを中心として各辺から四方に構造壁のラインを各1本ずつ定め、敷地境界と平行な構造壁を一切設けない構成としたことにより、全体としてスラブが強調されるデザインとなった。スラブは要所要所で住戸周りのテラスとなり、開放的な住戸の内外の関係を豊かにしている。
構造的には上記のコアと各辺に対する構造壁ラインは各階で揃えているが、その他の構造壁は上下階で必ずしも一致していない構成となっている。 逆梁の細かな小梁を縦横に配した厚み350mm(仕上を含め400mm)のワッフルスラブにより構造壁同士の力を伝え、基礎へ導いている。 外周部の直径100φの細い鉄骨柱はスラブ端部の長期たわみを抑える役割のみ果たしており、住戸内外のつながりを阻害しない。 各住戸内部のデザインは全て異なる素材や色を選択し、場所に応じて外部との関係等を考慮しつつ異なる雰囲気でまとめた。スラブ端部はセパレート割りを見せない型枠にて平滑なコンクリート打ち放しとし、住戸の天井となるスラブ底面の一部には杉板型枠による打ち放し仕上げとし、室内の木質を基調とした素材感との統一感を持たせた。住戸外周には半透明のカーテンと遮光カーテンを巡らすことができ、住居内外の関係を住民自らが自由に場所ごとに設定できるよう工夫している。
(八尾廣/八尾廣研究室)