255-3アットホーム 新東部センター
物件概要
- 用途
- 工場・事務所・倉庫
- 設計
- (株)建築集団フリー
- 竣工年月
- 2020年12月
- 構造
- S造
- 場所
- 千葉県市川市
- 規模
- 地上2階
物件概要
不動産情報メディアや不動産業務ソリューションなどを提供する「アットホーム株式会社」の施設である。元々の「東部センター」は30 年前に千葉県市川市の原木インター近くに建てられ、” 千葉の窓口” としてエリアをカバーしていたが、次第に手狭になってきた。そこで同じ市川市内で土地を探し、広さがおよそ2、3 倍となる敷地を確保できたことで、今回の計画がスタートした。「入居する系列会社を1社から2社へ」という与件も、今回の計画決定の大きな要素である。
「使い勝手の良さとコストパフォーマンスを考え、なるべくシンプルに」というご要望を意識して、最初は倉庫も一体にした3 階建てを計画した。が、系列会社2社のうち1社が、倉庫内の備品管理や商品を扱う会社だったこともあり、倉庫と事務所を分ける2棟構成にした。そして倉庫を軽量鉄骨にすることで、大幅なコストダウンを図った。
一方、事務所棟では、2 階に本来必要ではなかったバルコニーをあえて設け、隣地の自然を取り込み、解放感ある空間を演出した。バルコニーの手すりは、ガラスの内側に設置することで、シンプルな外観を維持している。また可動式の庇も、収納した時にすっきりと収まるよう、ディティールにはこだわった。1 階は物品の搬出入用に大きなシャッター1枚を想定していたが搬出入時以外は人が通れる大きさがあればいいので、使い勝手を考え、小さなシャッターをもう1枚取り入れた。
事務所棟の1 階は印刷工場である。「工場」というと無機質で単色のイメージが強いが、階段などの手摺にカラーを取り入れることで遊び心を表現。また、建物の隣が原生林なので開口を作り、緑を眺められるようにした。外壁などの仕上げ材は、大田区の本社で使用しているものと同じものを使うことで、場所は離れているが建物としての繋がりを意識した。この会社のこだわりが、長い歴史の礎として後世へ受け継がれている。
(三木俊治氏/株式会社 建築集団フリー 代表取締役 談)