212-2TIERS(荒川技研工業ショールーム)
物件概要
- 用途
- 店舗
- 設計
- 田邊曜建築設計事務所
- 設計協力
- 四方謙一、木下道郎/ワークショップ
- 構造
- 構造計画プラス・ワン
- 設備
- ZO設計室
- ファサードアートワーク・サインデザイン
- 野老朝雄
- 照明デザイン
- 岡安泉照明設計事務所
- 2F:グラフィックデザイン
- 三星安澄
- 竣工年月
- 2014年9月
- 構造
- RC造
- 場所
- 渋谷区
- 規模
- 地下1階、地上2階
SHIN CLUB掲載あり
物件概要
ワイヤーシステムが織りなす、街にひらかれた新たな建築空間
表参道裏通りに面したショールーム機能を有する店舗の計画である。
以前、この計画の両隣をあわせた敷地にクリニックがあり、その一部をショールームとして使用していた。そのクリニックの建物が老朽化したため、クリニックの建て替えに伴い、荒川技研工業の店舗として独立した建築を建てることとなった。
この計画では、建築やデザインの専門の人だけが訪れるショールームとしてだけではなく、表参道を通る人々が自由に訪れることができる街に開いた建築をつくる、というのがテーマであった。同時に機能的な面で1層目を一番広いフラットな空間にしたいという要望があった。
まず、道路に面するボリュームを両隣の壁面線とあわせるように斜めの形状とし、道とつながるオープンスペースをつくり出した。
そして、道路から最上階まで連続するウッドデッキの大階段を挿入し、途中階にカルバート状のテラスを配置することで、内部と外部、階段上と階段下の空間をつないでいる。南側のバルコニーにはワイヤーの幾何学的なパターンを用いたファサードを設置することで半外部的な場所をつくり、緩やかに街と連続する空間を生み出している。
このような空間を内包するために、RC造の壁床ラーメン構造として3層のカルバート状の構造形式を採用している。壁の部分には壁柱との段差を利用してニッチをつくり、カウンターやショールームの製品を展示する棚としている。
10月のオープニングイベントで行われた様々なアーティスト、デザイナーによる展示がきっかけとなり、街に開けた、新たな試みを発信する場所となることを願っている。
(田邊 曜氏 談)