173-2LINO
物件概要
- 用途
- 共同住宅
- 設計
- ICU
- 運営
- タカギプランニングオフィス
- 竣工年月
- 2014年2月
- 構造
- RC造
- 場所
- 杉並区
- 規模
- 地上3階
物件概要
中央線沿線でデザイナーズマンションを建てられているオーナーの5棟目の集合住宅である。3区画あった物件を統合し、1つの敷地に建てられた建物の名前は「LINO」。ラテン語で「重なり」という意味である。部屋の空間を仕切るために用意した可動のパーテーションが重なり合うイメージと、街の中の外部空間と建物や中庭などの内部空間が重なり合うイメージを併せ持ったテーマとして命名している。
前面道路は東側が行き止まりになっているが、通過交通もなく、むしろアスファルトの庭のように位置づけ、街へ開かれた敷地利用を心掛けた。すぐ裏手には公園があり、建物正面の中庭や、共用部への動線、ピロティや階段などいくつかの外部空間と内部のつながりを積極的にデザインしている。エントランスも塀で囲むのではなく、溶融亜鉛メッキのスチールネットを採用し、出入り口にはセキュリティをかけているが、中の人の動きや気配を外の人も感じられるよう、オープンな形にしている。 また、杉並区との話し合いで、東側に隣接する公園側にも出口を設置、避難経路を確保して安全面でも空間的にも配慮することができた。
各住戸の開口部は、床から天井までのサッシを採用して、内部への採光、通風を確保しながら、可動のパーテーションを設け、1部屋でも2DKとしても自在に空間のボリュームを調節できるようにした。素材も木板や半透明のポリカーボネートなど複数用意し、2枚のパーテーションの間に収納スペースを作ったり、半透明のスクリーンを重ね合わせて開口部からの視線を工夫したり、と今までにない暮らし方を入居者に提示できれ これまでは、外観やプランで住宅の可能性を提示してきたが、この可動パーテーションの可能性は、オーソドックスなプランでも発展させることができるので、構造的なことや施工方法も含めて、より標準化した形にしていきたいと考えている。
(長田直之氏 談)