株式会社辰

040-2m-house(レントハウス茂手木)

  •     

物件概要

用途
共同住宅
設計・管理
鈴木孝紀
構造
RC造
竣工年月
2003年6月
場所
世田谷区
規模
地上2階、地下1階
雑誌掲載あり

物件概要

「m-house(レントハウス茂手木)」は、基準法上は「共同住宅」ですが、「長屋」の形式で共用スペースを排除し、収益性を高める設計を行いました。「m-house」の設計者、鈴木孝紀氏(ハル建築研究所)にお話をうかがいました。

鈴木「まず40㎡以上の住戸が8戸必要というオーナーの要望がありました。また第1種低層住居専用地域のため、日影規制に掛からないよう建物の高さを7m以下で計画し、また北側斜線もクリアしなくてはならないという制限がありました。そこで容積の地下緩和を利用して必要床面積を確保し、共用部分を最小にして、賃貸面積を最大限に確保しました。」

―中に8戸もの部屋が納まっているとは思えない、ごく普通の建物なのですが、傾斜地を利用した重層構造の部屋は、それぞれいろいろな表情を見せています。

鈴木「南に3mほど下がっているでしょう。地下1階、地上2階のRC造でいけると思いましたね。費用も工期も無いので擁壁を作ると大変です。それよりも建築そのものをコンクリートの塊と考えれば十分対応できます。地形を生かし、快適でのんびりした空間を考えました。いかにも共同住宅という顔つきの住宅よりも、一軒家のように見えて、各戸の住人がそれぞれのアクセス方法で部屋に入っていく感じがほしかった。」

設計段階で開口部の組み合わせをパズルのように楽しみました。敷地が高台なので、各方角のいろいろな景色をどう取り込むか工夫し、更に外から見たときは、奇抜なデザインはこの閑静な住宅街には適切ではないと配慮しました。

このような四角い箱に重層で部屋を入れていくには、構造的な制約はあります。しかし、内部から外がどう見えるのか、変化がある方が住宅として面白いですから、そのあたりをだいぶ意識しました。

(鈴木孝紀氏 談  2物件のトークより、再構成しました)