株式会社辰

093-1COMS 中目黒Ⅰ

物件概要

用途
店舗・事務所
設計
向山博/向山建築設計事務所
構造
RC造
竣工年月
2007年11月
場所
目黒区
規模
地上6階、地下1階
雑誌掲載あり

物件概要

東横線中目黒駅の南側は現在大規模再開発や大小新たなマンション建設が進んでいる。また代官山のおしゃれなエリアが広がってきて、 中目黒駅周辺にも気の利いた店舗が増えた。 老舗の小さな店は少なくはなってきているが、 小さな店舗が入る小規模な開発も街に活気を与えている。 この 「COMS 中目黒Ⅰ」 も不動産企画開発のリブコムによる店舗 5 フロア+事務所2フロアのテナントビルで、設計事務所3社のコンペにより実現の運びとなった。

敷地は東横線の高架により断絶されている 2 つの商店街 (目黒銀座商店街、 中目黒駅西銀座商店街) を結ぶ道路に面している。 もともと店はまばらで暗い印象であった。 この計画地に 2 つの商店街を安全につなぐ行灯のような建築があると良いと考えた。 立地的には商店街から一本入っているため視認性は低いが、 もともと隠れ家的な店も多い地域なので、 その点は不利にはならない。 それ以上に高架を走る東横線から良く見える。 通勤通学中に記憶にとどめてもらえる大きな利点があると思われる。 テナントビルは竣工時スケルトンなので店の種類も未定、 建物にどのような人が訪れるかはっきりしていない。 それに比べて東横線に乗る人々は想像がつく。 今回は実際に建物に入る人より東横線から見る人を意識して計画を進めた。 建物の 3、 4 階がちょうど東横線と視線の高さがそろう。 中目黒周辺ではほとんどが店舗は 2 階までだが、 本計画では 4 階まで店舗としており、 既に飲食店が入ることが決まっている。 限られた敷地に目一杯建つこの建物の 1 階には、 施主の要望による 「コインパーキング」、 「正面に配置された階段」、 「ゴミ置き場」 など要素が多い。 可能な部分はできるだけシンプルに見せるように配慮した。 採用したカーテンウォールも無目の色や着色フィルムにより層間区画、 代用進入口などの存在を消してシンプルに見せている。 着色フィルムは近隣住宅との視線制御にも一役買っている内観はテナント工事によるところであるが、 高密度な環境に建つテナントビルのわりに、大きな開口部により開放的な室内環境が確保されている。

(向山博 談)

 
 

#93

#93

2007年12月10日号
今月のトーク
普遍性
作品紹介
COMS 中目黒Ⅰ、S H Bldg
フロントライン
お知らせ「株式会社ユニホー辰カンパニー」に改組
トピックス
Vol.3 桜台の家