物件概要

建て主の要望である「適正サイズ」を叶え、シンプルであるがコンセプ トレストランとしての「器」に相応しい建物になるよう計画をおこなった。

基本計画段階では、もっと複雑なプランを計画していたが、テナントビ ルとしての用途を考慮しシンプルな平面形状を採用。それにより、建物 の大枠の形は確定した状態となったが、階段周りが前面に出てくる点に 着目し、直線の四角い建物部分と曲線の階段部分を対比的に組み合わせ、 互いが独立して見えるように意識した。 建物部分は柱・梁のメンバーを揃えた無柱空間とした。階段には柱を落 としたくなかったので片持ちとして、先端にテーパーをかけて薄くする ことで、三次元的曲面が現れる現在の螺旋階段となった。

上層階にいくにつれ開口部を多く取ることが可能なため、風や視線が抜 けるよう開口部分を大きくとった。 見晴らしがよく、都心の風景が一望でき、また内部に光が回ることで開 放感と気分も高揚する。利用者にとって特別なテナントスペースになる だろう。

コンセプトレストランの床タイルはscara のレンガタイルを採用。自然 な風合いと螺旋階段が雰囲気を演出し「器」としての役割を果たす。内 装工事にも同じタイルを使用予定だ。 螺旋階段、室内ともに光が回り、風が気持ちよく抜ける「KRK ビル」。 レストランは今秋オープン予定で、そこから多くの人々に「クルック フィールズ」の想いが届くことだろう。

（MMAAA ／本橋良介氏　談）