株式会社辰

297神宮前3丁目プロジェクト

物件概要

用途
スポーツ練習場・事務所
設計・監理
AIUEO STUDIO 株式会社/佐々木 純也
構造
RC造
場所
渋谷区
規模
地上3階
SHIN CLUB掲載あり

物件概要

計画地のエリアには、美容院やネイルサロンなどが多い。そのため建物のテナントとして、1階はショップや飲食店が入ることを想定し、ガラス張りのファサードとした。2階と3階は壁を斜めに切ることによって、原宿通りからT字路を振り向いた人の視線を受け止める効果をねらった。通りから見たときの建物のインパクト感は、事業主も強く意識されていた点であり、設計の段階から何度も議論を重ねて、ふさわしい形のあり方を模索した。壁を斜めに切り取った効果は外観だけでなく、室内から外部を眺めたときの印象にも影響を与える。前方が狭い通りのため、向かい側の建物と目線が合うのは避けられないが、視線が斜めに抜けることで、多少なりとも奥行き感を得ることができた。建物の容積を確保するため、高さ制限は天空率を使用して緩和し、高度斜線規制や日影規制などのさまざまな条件を考慮しながら、ぎりぎりのところまで計画した。


建物の構造は、限られた面積のなかで空間の最大化を図るため、一般的なRC造ではなくWRC造を採用している。これにより柱や梁型の大部分を削除できた。さらにヴォイドスラブとすることで壁梁もなくし、スラブスパンを大きく確保。その結果、開放感のある空間が実現できた。1階室内にある、上階の壁荷重を支える唯一の柱は、角のない丸柱にすることによって広々とした空間になじませている。


ガラス張りのファサードの魅力をさらに引き立たせるため、外壁は左官仕上げとした。内部のコンクリートには誘発目地を入れており、建物の品質と性能を確保。目地の上にはサンドエレガンテを塗り、さらに目地とサッシの方立てを手すりの支柱とそろえることで、誘発目地の存在を意識させない仕上がりとした。ほかにも雨で濡れないように、手すりの部分の天板に笠木を取り付けるなど、建物の性能とデザインに対するこだわりの両面を追求している


この建物が、原宿通りから人々の流れを呼び込み、この地域をさらに盛り上げていく建築になることを期待している。


(AIUEO STUDIO/佐々木純也氏 談)