286-2ZYGZAG
物件概要
- 用途
- テナントビル
- 設計・監理
- 田邊曜建築設計事務所
- 設計協力
- 渡邊真弓建築設計事務所
- 構造設計
- 構造計画プラス・ワン
- 設備設計
- Y.M.o.
- 照明デザイン
- 岡安泉照明設計事務所
- ロゴデザイン
- 野老朝雄
- サインデザイン
- 四方謙一
- 植栽
- SOLSO
- 植栽デザイン協力
- 濱みやび
- 構造
- RC造
- 場所
- 渋谷区
- 規模
- 地上3階
物件概要
東京、北青山の3階建て店舗の計画である。この場所は表通りから一本入った高層ビルの裏の通りに面し、少し暗い印象であった。元々、ここにクライアントの会社の建物があったことから、クライアントは子供の頃にこの辺りで遊んで親しみがあり、ここに新しい建築を建てて、この通り自体を活性化させるきっかけにしたいという思いを抱いていた。 まず、明るく開放感を持たせるために、ファサードの開口部をできるだけ大きくとりたいというクライアントの要望があった。通常は店舗部と階段を別にするが、外部階段をファサードと一体とすることで、開口部が大きく、特徴のあるデザインをつくりだした。 階段が道路から屋上まで続いていくことで、街の中に小高い丘をつくったような、街と連続していく地形のような建築となるのではないかと考えた。 L字の道路の角にあるため、階段を昇り降りする様子は街の少し離れた場所からも、また内部からも目に入り、2階、3階の店舗にも路面の店舗のように街からそのままアクセスできる。そして、階段を上ると、一気に目の前の眺めが開けて気持ちのいい景色が広がる。屋上には街の緑と連続するように植栽が設置され、来訪者は景色を楽しみながらベンチで休憩することができる。 構造はRC壁構造でボイドスラブとすることで、店舗内は梁や柱がなく、スケルトンのままでも使える天井高の高い空間を実現した。ファサードの手摺には照明が設置され、日が落ちると点灯し、ZYGZAG(ジグザグ)のラインを際立たせつつ、ワイヤーメッシュに穏やかな光を映し、この場に明るさを演出する。ZYGZAGのロゴはファサードをモチーフとし、ファサードの左上に設置されたサインは目を引きつつも、全体を引き締めて、まとまったデザインとしている。 中に入る店舗も来年春にはオープン予定だ。これからこの建築に沢山の人々が訪れ、この通りに新たな流れを生み、どのように変わっていくのかが楽しみである。
(田邊曜建築設計事務所/田邊曜氏 談)