285-1Estudio3
物件概要
- 用途
- 店舗・共同住宅
- 設計・監理
- 佐藤尚巳建築研究所/佐藤尚巳・朝倉萌
- 構造
- RC造
- 場所
- 中野区
- 規模
- 地上4階
物件概要
極力床面積を減らさず、街の雰囲気に優しい建物になるよう意識して計画をおこなった。
Estudioシリーズのテーマは「斜線」。 Estudio3は壁上部を三角形にそぎ落としたり、バルコニー先端をすぼませたりして、街に対し優しい印象となるように意図した。Estudioシリーズの共通テーマを踏襲しながらも、シリーズ内で差別化ができるように設計をおこなった。
室内側にもそのテーマは延長しており、メゾネットの貸室ロフト部分には天井との傾斜空間による空間の圧迫感を軽減するため小屋を設置。申請上「小屋裏収納」としているため、床を400㎜上げ、天井高は1400㎜となっているが、マットレスを敷くとベッドルームとなり、ホテルやテントを彷彿とさせる空間に変わる。またロフト手摺部分には棚と丸パイプを設置することで、デスクとしての使用も可能となっている。
「玄関」は昔、高貴な身分の家にしか建造できなかったり来客時の作法や「敷居を跨ぐ」行為に重要な意味をもたらしていたことから、やはり閉塞的でなく開放感のある空間が良い。土間続きの収納にはアウトドア用品や家財道具を収納したり、部屋によってはそのまま対面キッチンのカウンターに繋がっているため、お店にいる感覚で友人との会話や軽い食事などを楽しんでもらいたい。
今回計画中に地中障害が発生し基礎の設計変更を余儀なくされた。軽微な変更届を申請し計画を進めたが、その影響で2~3か月の工期延期となり、引渡しをひっ迫することとなってしまった。時代の流れと言えばそうであるが、昔に比べ申請書類等の規則が厳しくなったのも、建築業界のさらなる発展と、安全性が国を上げておこなってきたことに他ならない。
コロナの影響もあり建築も変わりつつある時代。これからどのように変化していくか、楽しみである。
(佐藤尚巳建築研究所/佐藤尚巳氏・朝倉萌氏 談)