282-1代々木の家
物件概要
- 用途
- 専用住宅
- 設計・監理
- 今永環境計画
- 構造
- 和田譜生構造設計事務所
- 設備
- 創環境設計
- 照明
- フォーライツ
- 家具
- ステュディオ・カズ
- 外構
- ノマドクラフト
- 竣工年月
- 2023年4月
- 構造
- RC造
- 場所
- 渋谷区
- 規模
- 地下1階・地上4階
物件概要
外国籍である建て主様の要望は、主に「異国の地から日本に来ているので、周りの家に対して目立たないようにしてほしい」こと、「自然素材を使うこととにおいに敏感なので気をつけてほしい」ことの2点であった。
要望に応えるため隣家と壁面を揃え、接道側のファサード面は建物高さを1.5階分に抑えることにより道路から見たときに平屋建てに見えるよう周囲の街並みへの調和を図っている。初めて来た方は、すっと通り過ぎてしまうような控え目な佇まいだが、建物の中に入ると空間の広がりを感じるのが狙いである。
内部はタワーのような多階層となっており、プレート(床)をいろんなところにばらまき、そこに階段をつける。ここに至るまでダイヤグラムで幾度も検討を重ね、計画の基盤となるようにした。さらにそこに外部空間を挟み、裏庭や中庭を含め、一つひとつの空間をどれくらいのバランスにするのかというところを模型などで丁寧にスタディした。
一般的に都市で設計する際は片側に外部空間である「庭」を配置することが多いと思うが、その場合、周囲の視線を受ける向きに大きな開口部を設けてもプライバシーの観点から常にカーテンを閉めている状況になってしまう。そこで「庭」を内部空間に取り込み「中庭」とすることで外部からの視線を気にせず外に向かって大きな開口部を設けることが可能となる。
今回の計画では、玄関から入りすぐに中庭を配置することで大きな開口から視界の抜けを作り、広々とした印象を与える空間を演出した。また、内部空間に吹き抜けを取り入れ、奥様が上で作業をしている気配を感じながらご主人が下で音楽を聴いている、なんていう瞬間があると楽しいのではないかと思う。
ペンキや接着剤などの揮発性の臭いを大変気にされていたので、日本で長い間使われてきた素材で、においを吸着する漆喰を採用。自然素材、特に出来るだけたくさん無垢の桧を使用し、建て主様の好むやさしい雰囲気の内装になっている。
(今永環境計画/今永和利氏 談)