275-1スタイリオX白金
物件概要
- 用途
- サービス店舗・事務所
- 設計
- フリークス・MMAAA
- 竣工年月
- 2022年12月
- 構造
- RC造
- 場所
- 港区
- 規模
- 地下1階・地上6階
物件概要
今回の計画地は白金3丁目古川沿いの下町的雰囲気漂うエリア。 16戸の賃貸住宅を作るというのが今回のお題である。準住居地域で容積率300%なのに狭小敷地狭小道路、日影規制有。場所柄賃料は高く競合多数。普通の賃貸では難しい、何か特徴のあるものをというわがまま一杯の要求。もちろんコストは安く!そんなの無理、と言いたいのに言えない悲しい性。考えてみると東京で建物を造るにはこんなことの連続だ。 容積を取るには平面と高さの総和の最大点を探り、足りなければ掘るしかない。
魅力づくりは何かを付加するのが一般的だが、今の世代は物を最小限に利用するのが主流。何もつけずに素の空間を利用してもらいたい。要は「この建築は何者である!」と声高に叫ぶのをやめ徹底的に都市づくりのプログラムに任せて、出来上がった形態に素の表情を備えた都心住まいの空間を作ることが今回のコンセプト。題して「アーバンシルエット」。
都市のコンテクストに影のように佇み住まい手のベースになる、そんな建築を目指した。ミニマルな生活というのが今のトレンド。そこに魅力を感じて住む方が来てくだされば、と思っていたが入居開始を前に半数以上が予約済みと好調のようで、共感して下さる方がいらっしゃることに一安堵である。
それにしてもニッチマーケットに向けて東急株式会社のような大企業が挑もうとする姿勢は見上げたもので、設計者としてはそれに応えていくことが出来て幸せである。設計には㈱MMAAAの本橋さんの力を借りた。古い私だけではとてもできなかった、感謝である。水位が高いのに地下がある、3次元に壁が斜めになっているなど難問山積みの現場を予定工期で乗り切ってくれた尾内所長、土屋係員には本当にお礼を言いたい。
出来上がって関係者から良かった、楽しかったと言っていただけたのが何よりのねぎらいである。都市は建築ではなく人の営みで出来ているのである。
(フリークス/小菊健司氏 談)