202-2神宮前6丁目プロジェクト
物件概要
- 用途
- 店舗
- 設計
- 鈴木孝紀建築設計事務所
- 竣工年月
- 2016年7月
- 構造
- S造
- 場所
- 渋谷区
- 規模
- 地上3階
SHIN CLUB掲載あり
物件概要
渋谷川の暗渠部分である裏原宿のキャットストリート。静かな住宅街であった20年前とはすっかり姿を変えて、両側には、若者のファッションの先端を行くブランドショップが軒を連ねる。デザインも様々な建築物が建ち並ぶ中、むしろ黒子に徹して、店の商品や展示物に思う存分自己主張してもらいたい。そんな気持ちで、祭りの『櫓(やぐら)』のような、シンプルな構造の建物を考えた。
暗渠より少し下がった側道から、再び70cmレベルを上げて、道行く人に目線を合わせ、柱は木造のサイズ150mm角に抑えて、ガラスファサードを通して、ほとんど建物を意識させずに内部の商品や広告を、通りから見えるようにした。
多くの鉄骨造の建物で耐震性の確保のために設けられる鉄骨ブレースは、デザインの上からも避けたいと考え、純ラーメン構造とした。サッシはスチールにして少し太く、柱と同じサイズにして、構造的に必要なものを全体に等価にしてまとめている。木々が並ぶ林のようである。一番太い鉄骨は、デンキに引き込みに建てた300mm角のH綱である。
商品が目立つためには、とにかく店舗の内装設計の自由度を上げる必要がある。物販で、3階以上の建物は、耐火構造が義務付けられているが、柱・梁の仕上げの厚みを抑えるため、今回は耐火塗料を採用し、通常より厚い数mmの厚さで施し、躯体そのものはかなり軽く仕上げることができた。 階高は約3m。コンクリートの厚さ150mm、梁背約285mmで、さらに内装が活かされるだろう。
(鈴木孝紀氏 談)