191-2YON-KAビル
物件概要
- 用途
- 店舗
- 設計
- 辰+加藤正三建築設計事務所
- 構造
- RC造
- 竣工年月
- 2015年9月
- 場所
- 港区
- 規模
- 地上3階
物件概要
表参道と青山通りの交差点にある北青山一帯は、戸建て住宅や店舗、小さな集合住宅など、大通りと比べると様々な用途の建物が混在しており、その間を車一台がやっと通れる小さな通りが巡る静かな街である。 当初より入居するテナントが決まっており、スパサロンとそれを運営する本社事務所を1カ所に集約する計画である。面積は100坪、1階と2階に店舗、3階に事務所を設けるという与件であった。 店舗と事務所部分の内装は別の設計事務所が担当したが、計画段階から内装設計の事務所と打ち合わせを重ね、開口部の調整を行った。 敷地は間口が約10m、奥行きが約26mで敷地の奥では7mとなる異形敷地。東側幅3mの公道と、北側幅2mの私道に接道していた。周辺は3階建ての建物が密集している。建替えにあたり道路境界線の後退が求められていた。建物は敷地なりに計画し、各階に求められる面積を確保しつつ、斜線制限いっぱいにボリュームを確保した。
3階部分の2方にはテラスを設け、事務所部分をセットバックさせた。周辺に対して圧迫感を与えない建物となるように通りからは2階建てに見えるようにした。カーテンウォールと袖壁により、訪れる客を招き入れるようなファサードとした。3階テラスの眺望は表参道や青山通り沿いの高層建物と周囲の低層建物の対比が面白い。
ビルオーナーからの要望もあり、鉄筋コンクリート造とし、スラブは無柱空間を確保するためにボイドスラブとした。店舗内部には階段設置ができるように2階スラブに開口を設けたり、1階開口部周囲の壁厚を薄くしたりして、出入り口を設けられるなど、将来のテナント入れ替えの時にフレキシブルな対応をできるような計画も行った。
独立まもない私に設計の機会をくださったビルオーナーや関係者の皆様には感謝の気持ちで一杯である。
(加藤正三氏 談)