183-2旭町診療所
物件概要
- 用途
- 診療所
- 設計
- 田邊曜/hkl studio
- 設計協力
- 木下道郎/ワークショップ
- 構造
- 構造計画プラス・ワン
- 竣工年月
- 2015年3月
- 構造
- RC造(壁構造+壁床ラーメン構造)
- 場所
- 千葉市
- 規模
- 地上2階
SHIN CLUB掲載あり
物件概要
クライアントは、医学系教育、特に地域医療の実習を行える診療所の必要性をかねてから感じており、地元の人たちが気軽に訪れることのできる建物を希望していた。また高齢者の多い地域であり、全ての診察室はワンフロアにまとめられるように求められた。 ワンフロアにまとめるためには、敷地いっぱいにL字型プランにならざるを得ず、周辺環境への圧迫感を低減する検討を行った。
敷地境界に沿って最大限のボリュームから上部を削り、メインエントランスの東側道路に向けて、さらに稜線を下げることで周囲への圧迫感を抑えつつ内部に入るにつれて、空間が広がる構成をつくりだした。そして、その過程で外殻をずらすことで生まれた凹みの側面に開口部を設け、隣地の近接する建物に直面することなく内と外がつながるスペースを配置した。 特に待合室となるラウンジは9m近い吹き抜けを設け、2階を大きくセットバックさせることで、街の路地のような空間を生み出している。
このような広がりの強度を確保するために、構造はRC造とし、診察室のある北側を壁構造、エントランスのある東側を壁床ラーメン構造にしている。異なる角度が接する部分は型枠処理が難しいが、設計で用いた3Dソフトを利用して、施工者とともに全体形状を把握しながら躯体施工を進めていった。 その結果、「家型」が連続したユニークな外観となった。
訪れる患者さん達に愛される、病院の枠を越えた地域の拠点となることを願っている。
(田邊曜氏 談)