181-2リジェンティス株式会社
物件概要
- 用途
- 事務所・クリーンルーム
- 設計
- 木名瀬佳世/木名瀬佳世建築研究室
- 竣工年月
- 2014年12月
- 構造
- RC造
- 場所
- 国立市
- 規模
- 地上3階
SHIN CLUB掲載あり
物件概要
医薬部外品、化粧品の開発を行う、ベンチャー企業の研究所付き新社屋である。 全長20mの旗状敷地。周囲はマンション、病院など既に高い建物に囲まれているため、建物は道路からほとんど見えない。建物自体をアピールしたり、道路沿いになければ機能しないというものでもない。また、騒音や悪臭なども出すことはなく、お客様がたくさん出入りすることもない、日常的には静かな施設である。建て主が示した、スタンフォード大の研究室のオーガニックなイメージを参考にしながら、以前のラボの使い方を踏襲し、こちらからも新たに提案を行った。
日本で目にするほとんどの研究室は無機質で、部屋として独立した閉じた形のものが多いが、ここでは、建て主は研究を行いつつ、ディスカッションも行い、ときには接客も行う、といった具合に一人で何役もこなされる毎日を送っている。 オフィス全体を見渡せる吹き抜けをスキップフロアでつなぎ、必ずその先があるように期待させる、突き当りがないシークエンス。エントランスのすぐ横に配置することが多い応接室も、ここでは最上階に持ってきており、訪問者が研究スタッフの様子を感じ取ることができるようにしている。
周囲は建物に囲まれているが、いろんな方向から、空や屋上庭園の緑が見えるように開口部を設計し、圧迫感を軽減している。木や塗り壁という内装素材、曲線を用いたプランも住宅のような心地よさを作り出している。
社長を始め、好きなことを仕事にされているスタッフたちは、仕事を楽しむ引き出しが多い。それらを形にしていって、出来上がった建物である。
(木名瀬佳世氏 談)