175-2アジュール
物件概要
- 用途
- 店舗、事務所、共同住宅
- 設計
- architecture WORKSHOP/北山恒、工藤徹、岡田尚子
- 竣工年月
- 2014年7月
- 構造
- S造
- 場所
- 練馬区
- 規模
- 地下1階、地上8階
物件概要
石神井公園駅前の南口広場に向かって建つ、オーナー邸付きのテナントビルである。 この南口駅前広場は現在、再開発工事中である。基本的に、広場は単なるロータリーとして計画されているだけだが、周囲の建物の壁面が表情のある広場になれば面白い。 敷地は、駅前広場に向かっての接道幅が12mあり、折れ曲がった奥の間口は4mという変形の土地である。広場からの視線を受け、公共空間のように人が行き来し、テナントのサインが入った時に豊かな表情が加わるように、建物自体はシンプルながら、ファサードは広場に対する作法として、人の視線を受け止めることができる大きな面を作ろうと考えた。天空率による道路斜線緩和を受け28m x12 m という最大限の面を確保し、存在感を高めた。
例えば、1階は道路から少し下がってテナントの扉を設け、テーブルやイスが置けるくらいのスペースを作っている。2階から5階もオープンなテラス通路とし、人が行き来する様子がよく見えるようにしている。手摺のフラットバーにはボルト用の穴が開いていて、ここで切り文字のサインを出したり、デザインのあるものを施したりできるようになっている。テナントの要望をすり合わせて、こちらでルールの策定を行っている。 オーナーの居住部分である6階(5階の奥一部もオーナー邸)から8階は広場に面して、エイジング素材である溶融亜鉛メッキを施したスチールパネルを壁面単位とし、手すりをエキスパンドメタルにして金物製作の職人さんの手仕事の風合いが表情となっている。
各フロアは3世帯それぞれのご要望とアイディアを建て主と一緒に形にしていく楽しい作業だった。5階は将来賃貸に転用可能にするなど、室内のレイアウトも、フレキシブルに対応できるように計画している。 南側に広がる眺めのいい最上階にはデッキとコモンダイニングを設け、バーのようなコモン・スペースとした。3世代でお住まいのオーナーのご家族が集まったり、ご友人たちとの楽しいひとときを過ごされたりできるようにしている。
(工藤徹氏 談)