株式会社辰

166-1表参道けやきビル

  • コンクリート 打ち放しの壁
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物件概要

用途
店舗
設計
團紀彦/團紀彦建築
竣工年月
2013 年 11 月
構造
SRC 造
場所
渋谷区
規模
地下 2 階、地上8 階
表彰実績
2015年JIA優秀建築賞(公益社団法人 日本建築家協会)
表彰実績あり SHIN CLUB掲載あり

物件概要

この建物は、表参道とそれに直交する小道との角地に計画された 8 階建ての商業ビルである。
西側に隣接しているのは伊東豊雄氏の設計による TOD’S ビルで、建物が L 字型をしているためにちょうどこれに囲まれたような格好になる。
以前建っていた古い建物は、表参道に対してのみその正面が向けられていたため、建物の小道側の側面がビルの裏側のようにぎこちなく露出していた。この度の計画では、やや不整形ながらも円形に近い平面を用いることで、対角線の方向性を発生させている。
これは、角地である敷地の特性を活かすためであり、また隣接する TOD’S ビルと馴染みながら、お互いの存在をより街に開き、立たせるような「共生」的な相乗効果を図るためでもある。
建物の構造は、鉄骨鉄筋コンクリート構造で、外周部に板目打ちコンクリートの長葉状列柱を配列した。
表参道は、東京を代表するファッションストリートであり、その美しいケヤキ並木が通りに連続性を与えている分だけ、繊細なデザインのビルがそれぞれ主張をしながら、比較的自由に立ち並んでいるのが特徴となっている。
歩行者の数も多いため、歩きながら少しずつ表情が変化し、動きの中で意味を持つ建物とした。木の幹のような板目打ちのトーチ状フォルムによる垂直方向のスケール感や、板目打ちコンクリートの素材感といった、周辺にはない要素を敢えて投入するインターヴェンションをここの街路空間に行うことで、建物だけではなく表参道の町並みの「気」を、より豊かで生き生きとしたものにしたいと考えた。

(團紀彦氏 談)