165-3ツナハウス
物件概要
- 用途
- 専用住宅
- 設計
- 仲條雪/JAMMS
- 竣工年月
- 2013年6月
- 構造
- RC造
- 場所
- 渋谷区
- 規模
- 地上3階
物件概要
代々木上原の住宅地の一角に建つ戸建住宅である。区画の真ん中に位置し、道路から入り込んだ細い私道に接道することで正規に建物が建てられるよう、予め条件が整えられた土地であった。3mの崖に囲まれ、崖条例の適用を受けて、1階をRC造、2-3階を木造という混構造を選択することになった。工事は手運びによる手間のかかったものとなり、施工者にはご苦労があったと思う。
建て主の希望は「合理的にしたい」ということであった。この「合理的」とは、無駄なものは一切排除するということで、特に「扉を開ける」という動作は無駄だ、というお考えの建て主は、以前のお住まいでもキッチンなどの扉は全部外されたとのことであった。
さらに「家の中をぐるりと回ると身支度ができてしまう家がいい」とのことで、建物は必然的に回遊性を持った、シンプルな形になった。朝、3階の寝室を出て、2階へ下りて顔を洗い、着替えをして、1階のリビングダイニングで食事をとり、仕事に出かける。帰宅すると、荷物を置いて、2階へ行き、手を洗い、着替えをして、その後食事をしたり、くつろいだりする。3階に収納は全くなく、2階も浴室以外は扉がない、かなりオープンな空間となっている。 1階は大きなワンルームで、たっぷりと収納があり、キッチンも特に対面式にすることもなく、壁に沿って設置されている。広々とした空間の中央天井には、ハイサイドライトを取る開口部を設け、その上部には建物の中核をなす入れ子状のボックスが浮かんでいる。「ゲーム部屋」と呼ばれる4畳半の畳の部屋は、ゲームプロデューサーという仕事柄、家でも共に楽しまれるご夫妻にとって、必要不可欠の空間である。
「下がパブリック、上に行くにつれてプライベート」と、生活動線をはっきりと意識されている建て主に、無駄のない暮らしをこの新しい家でも、ぜひ満喫していただきたい。