138-2Bluehouse(成城 T 邸)
物件概要
- 用途
- 専用住宅
- 設計
- 中村晃/アーキプラス
- 竣工年月
- 2011年7月
- 構造
- RC造
- 場所
- 世田谷区
- 規模
- 地上2階
SHIN CLUB掲載あり
物件概要
建て主は成城の傾斜地にこだわって敷地を求められ、傾斜地建物の設計実績が多く、やはり近くの傾斜地に建つ、当事務所兼自宅を尋ねてくださった。 成城という、上品でクラシカルな住宅が整然と並ぶ街には、レンガなど緑になじむ外観の選択もあるが、敷地はバス通りから入った道の一番奥の交差点に位置する。シンプルでありながら、街の新しいアイスポットとなるような新しいデザインの提案を試みた。ブルーという、緑とは一見相容れないような大胆な色の壁を前面に設けてはいるが、周囲にも違和感なく、しかし、個性的な建物として認知されているようである。
敷地はかなりの急勾配であった。既存の建物を壊し、そのまま基礎を生かしてプランを組み立てていった。各フロアの開口部はそこから見える木を意識している。傾斜地工事に際して、「木を残す」ということは、環境に対する考えがないと、なかなか普通の施工会社ではやらない。往々にして地面を平らにする方向で植栽はすべてカットすることが多い。が、今回は施工経験のある辰でよく対応してもらったと思う。 室内は、白色を基調にしているが、例えばプライベートスペースとなる1階には、ブルー、オレンジをワンポイントに入れるなど、随所に変化をもたせている。 また開放的な浴室の外のデッキの先には、斜めの壁が続いているなど、扇形の敷地に建物の形を自在に配置してユニークなスペースが生まれている。
ご要望を伺い提案するたびに、建て主も新たに案を考えて来られる、という往復作業が続き、結局 20 案近くのスタディを行っただろうか。その結果、建ちあがった建物には、建て主自身も十分ご満足いただけたようだ。 外構工事は、これからである。眼下に広がる、緑、桜並木を大いに楽しんでいただければ、と思う。