098-2桜上水の住宅
物件概要
- 用途
- 専用住宅
- 設計
- 大堀伸/ジェネラルデザイン
- 構造
- RC造
- 竣工年月
- 2008年3月
- 場所
- 杉並区
- 規模
- 地下1階、地上2階
雑誌掲載あり
物件概要
クライアントは、 クリエイティブな仕事を持つご夫妻であるが、 意匠にこだわるというより、使いやすく収納量も確保されている、 当たり前の空間を望まれていた。
しかし クライアントの要求をそのまま反映させようとすると、 空間を縦に 3 層つないだ 普通のコートハウスに落ち着きそうで、 それだけでは面白くないと感じ、 敷地に若干傾斜があることを利用して、微妙にレベルをずらして、 建物の内側、 外側を合わせて 8 つのレベルを設けることにした。
そうすることで、 床で作られた上下関係の内も外も絡みながら、 豊かなひとつながりの空間が生まれてきた。 来客を迎え、 パーティをしたいという中庭を中心に、 オーソドックスでありながら多様な空間体験を可能にすることができた。
また、 これまで僕のプランは周辺に対し外壁でしっかり閉じるものが多かったが、 今回の周辺環境は普通の住宅街で、 木造の住宅やアパートが多く、 化粧打ち放しコンクリートより、 もっとラフでぼやけた感じの柔らかいコンクリートの方がなじむような気がした。
普通合板型枠による打ち放しのグレーの外壁から、 内側の真っ白い壁が見え、 さらに一部を切り取るようにあけて、 植栽で建物内部への視線を遮る程度にしておくことで、 通風や採光をある程度維持しながら、 プライバシーやセキュリティを確保することができた。
外壁も 90 度ではなく、 少し開いて振ってやり、 ゆるい形に落ち着いている。 時間の経過で、より周辺に溶けこんでいくことだろう。
(大堀伸氏 談)