051-2Vague (集合住宅 20K_二十騎町の集合住宅)
物件概要
- 用途
- 共同住宅+専用住宅
- 設計
- 北山恒/architectureWORKSHOP
- 構造
- RC造+一部鉄骨造
- 竣工年月
- 2004年5月
- 場所
- 新宿区
- 規模
- 地上5階
雑誌掲載あり
物件概要
神楽坂近くの住宅街にはめ込まれたこの建物は、敷地の南北側に2棟の建物を配置し、中央に大きなヴォイド(隙間)を設けることにより、窓先空地や避難通路等の法的規制をスマートにクリアしている。
南棟は、1-2階、3-4階がメゾネットで、5階にオーナー邸、北棟は、1階が駐車場で、2~5階は各階シンメトリーの2戸編成になっている。庭に面したメゾネット北側の開口部は全面ガラス窓で、各戸の前には専用庭のように水盤が置かれている。「中庭を安易に【COMMON】スペースとして利用するのはよくない」と考えた設計者は、メゾネットの玄関には水盤に架けられた橋を通って入るようにし、無用の人間が窓際に近寄れないようにすることで、プライバシーを保ちながら外部とのオープンな関係を持つ住まいを作り出した。
メゾネットの南側は、窓際にバスタブを置き、引戸で内部と仕切られる「バステラス」とした。コンクリート製カウンターのキッチンと共に、室内に適度な緊張感を作り出している。ここではロールスクリーンを下ろさず、設計、インテリア事務所、あるいは編集者などがSOHOとして入り、夜遅く帰宅した住人は「水盤」の向こう側で仕事をしている人が見える―という住まい方が望ましい。「都心に住んでいる」ことを実感するのは、こういう景色が日常にあることなのかもしれない。
北棟は、窓側に縁側のような緩衝帯が設けられ、引戸で移動家具とともに室内を自在に仕切る。コネクティングドアを開いて、2戸を1戸にすることも出来る。
オーナー邸は全室バリアフリーとし、以前の家にあった障子戸やドアノブ、照明などをさりげなく配置した。高齢の母上には何よりの和み空間となるであろう。
(北山恒氏 談)